“INTERVIEW WITH CEO” 躍進し続けている企業のトップにインタビュー


01atmos mag 09より企業の先陣をゆく方々のインタビューをご紹介します。

ジェフ・テイラー(DCグローバルブランドリーダー)

DC
—フィロソフィーは“常識に捕われない”ということ

Q01. ジェフの経歴を教えて下さい。

A01. 私はスケートボードをして育ち、90年代にはプロスケートボーダーとして活動していました。幼い頃から素晴らしいスケートブランド業界を学べたことはとてもラッキーだったと思います。常にスケートボードのクリエイティブな部分とビジネスに情熱を持っていましたので、自然とその世界へ飛び込んだのです。現在はDCシューズのグローバルブランドリーダーで、DCのようなスケートボードのアイコン的なブランドで仕事ができるは夢が叶ったと言えます。

Q02. DCのブランドコンセプトは?

A02. 私達の使命は独自の道を切り開き、高い目標を持ち続け、刺激を与え、チャレンジしていくことです。 “DEFY CONVENTION(常識に捕われるな)”、これが私達のフィロソフィーです。

Q03. 現在、DCが最もプライオリティを置いている部門は?

A03. スケートボードは常に私達DCにとって最も高いプライオリティ。しかし、同時に様々な領域にも重点を置いています。スケートボードカルチャーを取り巻くすべての分野、アクションスポーツや音楽、アートがその例です。私達は常に自分らしくありたいと思っていますが、だからと言って変化、成長していないワケではありません。DCブランドの魅力は常に変化の最前線にいるということ。うわべだけの流行に左右されることなく、スポーツや私たちの商品を通してクリエイティブに行動したいと考えています。

Q04. DCはモータースポーツやスノーボード業界にも参入していますが、日本ではやはり依然としてスケートメーカーとしての認識が強いです。実際に米国本社でのモータースポーツ及びスノーボードの活動やマーケティングの現状は?

A04. 私達はスケートボードから誕生したブランドなので、スケートアプローチを常に心掛けています。例に挙げると、スノーボーディングのように山を滑るのではなく、山でスケートをするイメージ。私達はスケートボードがそうであるように常に前進し、革新的で反発的なアプローチを保つようにしています。それはモータースポーツやサーフィンにおいても同じことです。

Q05. DCのグローバルマーケティングにおいて、日本の役割は?

A05.日本のマーケットは常に、グローバルブランドに多大な影響を与えてきました。日本のトレンドや視点は全世界で最も面白いと言えます。

Q06. 日本のスケートシーンについて認識していること、感じていることは?

A06. 日本のスケートシーンはとてもユニークな視点を持っていると思います。そこが私は大好きです。

Q07. 日本のスケートシーンが他国と違う部分はどんなところですか?

A07. しいて言えば、東京ではストリートでスケートがしにくいところです。東京はとても素晴らしい街ですが、プッシュだけでもできるサイドウォークを設けられればさらにパーフェクトな街になるでしょう。関連するブランドやショップが一体となり、合法化のキャンペーンをぜひ行うべきです! Legalize Tokyo!!

Q08. アメリカのスケートシーンの現状は?

A08. スケートボードの多くのトレンドはアメリカで始まりましたが、今では世界中に広がっています。他国がアメリカから影響を受けていたように、私達も日本やヨーロッパからいつも刺激を受けています。

Q09. 東京五輪の正式種目候補にも残ったことで、スケートシーンは今後どのように変化、成長していくと思いますか?

A09. オリンピックで正式種目になる予感は確かにあります。スノーボードが最も人気のあるウィンターゲームになったように、スケートボードも人気のある“サマーゲーム”になるよう大いに期待しています。ハイレベルの戦いを観戦できると思うと今から待ちきれませんし、ここ日本の才能ある若いスケーターたちが素晴らしい技術を見せてくれることを確信しています。

Q10. 日本のスニーカーマーケットについて、どのように認識していますか?

A10. 日本のスニーカーマーケットは大好きです。完成度と品質の高さは感動さえ憶えます。そして、ハイファッションとスポーツの融合は世界中のどこよりも優れているのではないでしょうか。私達にずっと刺激を与え続けて下さい!

Q11. DC JAPANに期待することは?

A11. DCには3つのシンプルなゴールがあります。“向上”、“接続し続けること”、そして“バランス”です。“向上”とは、DCのロゴをプレミアムにすること。次に“接続し続ける”とは、関連するコアな消費者を大事にすることを意味します。最後に“バランス”は私達のルーツであるスポーツとカルチャーを両立させること。スポーツがそうであるように、音楽やアートにおける進展と革新はDCブランドの一部なのです。日本のDCブランドのチームは素晴らしい仕事をしてくれています。これからも期待しています。

Q12. atmosへ期待することは?

A12. 私達DCにとって、atmosは非常に大切なパートナーです。社長である本明氏は流行を追いかけるのではなく、それを創り出す能力に長け、atmosという強力なショップを作り上げました。私達の企画や商品のアイデアをatmosがリードしてくれることはとても心強く、DCはこれからもatmosと手を取り合って発展していくことを楽しみにしています。

Q13. DCブランドのゴール、将来のヴィジョンは?

A13. 私達が今後どのように消費者へアプローチし続けるかと言うと、“常識に捕われない”という言葉に尽きます。DCは素晴らしい実績をプロダクトとマーケティングの双方で成し遂げ、それらは日本のマーケットでも評価されてきました。そして、だからこそこれからもトライし続けていきたいと思います。

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新井良亮(株式会社ルミネ代表取締役社長)

ルミネ
—“いま”という時代に応えるライフバリュープレゼンター

Q01. 新井社長の経歴を教えて下さい。

A01. 1946年生まれ。1966年に日本国有鉄道入社。1993年に東日本旅客鉄道株式会社人事部人事課調査役を担当し、1997年東京地域本社事業部長、1998年東京支社事業部長、2000年取締役事業創造本部担当部長、2002年常務取締役事業創造本部副本部長、2009年代表取締役副社長事業創造本部長を歴任。2011年には株式会社ルミネ 代表取締役社長兼東日本旅客鉄道株式会社代表取締役副社長事業創造本部長に就任。2012年に東日本旅客鉄道株式会社代表取締役副社長退任。

Q02. ルミネの企業理念を教えて下さい。

A02. お客さまの思いの先をよみ、期待の先をみたす。“いま”という時代を生きるお客さまの思いに応えるために、ルミネは常に新しい何かを発信。さらにそこに止まることなく、お客さま自身もまだ気付いていない潜在的な欲求を見つけ出し、それに応える提案を行っていきます。“ときめき”とは予測や想像を遥かに超えた時に生まれるものですよね。お客さまの心の豊かさにつながる“ライフバリュープレゼンター”であること。それがルミネの使命です。

Q03. ルミネの今後の目標は? 課題は?

A03. 女性をメインターゲットにファッション性を高めていきたいし、ファッション業界の活性化にも貢献したいですね。少子化、高齢化といった成熟した社会の中で、ルミネはどういう立ち位置を占めていくのか、そういうことを根底として今後の目標としています。また、地方産業である伝統、文化、物作りと協業しながら取り組んでいきたいとも考えています。それは、新しい事業の立ち上げで地方の雇用を作ることや、東京とローカルあるいはローカルと世界の繋がりにも関係することです。ひいては、若い世代に10年、20年先のヴィジョンを描くためにはどうしたらいいのか、そんな啓蒙も視野に入れています。

Q04. 新たな商業施設が乱立する中で、これからの複合施設の在り方、差別化をどうお考えですか?

A04. マーケットをしっかりと見ていくこと、マーケットを作っていくこと、そのためにはクリエィティブな仕事、新たなことにチャレンジする精神が重要です。つまりは、マーケットの半歩か一歩先をどう構築するか。我々は揺るぎない施設を形成してきた自負がありますが、それこそがターゲットを明確にしてきた証拠だと思っています。適度な競い合いは市場競争ですから、然るべき。協調することと競争することは、なんら相反することではありません。会社のためにも社会のためにもファッションのためにも、健全な競争を必要としていきたいですね。

Q05. または新井社長はプライベートでスポーツをされますか?

A05. 週末はランニングをしています。自宅付近を走ることが主ですが、一日往復で10kmくらい。それから、自転車では20~30kmを走行しています。特別な予定がなければ、基本的に毎週。もうかれこれ10年ほど継続していて、東京マラソンには2回出場しています。シューズはというと、散歩用とランニング用に使い分けて、ナイキとアシックスを愛用しています。

Q06. 以前よりスニーカーの存在感が大きくなりました。街を見渡すと、若い女性から中年男性までオシャレなスニーカーを履いています。それをどのように感じられていますか? どのような要因でスニーカーの存在感が増したと思われますか?

A06. スニーカーを履くことはファッションとイコールです。革靴だとこの衣裳しかないと決められてしまいますが、スニーカーだとコーディネイトの幅が広がります。デザインに色、機能性、ブランド、用途とたくさんのバリエーションがあるから、毎日のコーディネイトが楽しくなりますよね。バラエティがある→ファッション感が生まれる→統一的ではなく、己、個になる。そこにスニーカーを履く楽しみがあります。ですから、売れる、売れないということで一喜一憂するべきではないと思います。食育のように、市場やシーンに対してこういうらしさがあるといったファッション育、スニーカー育を教示できればもっともっとスニーカーの存在感が増していくのでは。

Q07. 新井社長の視点から、ファッションとスポーツは東京五輪に向け、どのようにリンクしていくと思いますか?

A07. スポーツをファッションと捉えたり、ファッションもスポーツとリンクしたりがなければ、幅が狭まると思います。シナジーが生まれること、つまり連携が大切ですね。もう一つは、スポーツなのでやっぱりチャレンジが大事。スピードを上げる、筋力を付けるといった、大袈裟には“美”とも言える、その範疇で向上心を発揮すること。そのことはあらゆる意味で企業の成長とも繋がります。国を意識し、個人をアピールするオリンピックの場合は4年に一度の開催だからこそ、毎年行われる大会とは違って特別な想いが芽生える。それに向けてひたむきに努力をすることに貴重さを感じますね。それは、個人でも企業でも国でも、スポーツでもファッションでも同じことが言えるのではないでしょうか。

Q08. ルミネはファッションやカルチャーの発信基地として様々なブランド・ショップを集めた商業施設を展開されていますが、今後スポーツとの関わりをお考えですか?

A08. ファッションには多くの要素があります。例えば、美とかクリエイティビティ、もしくはセンスがあって、そういうすべてを包含することがカルチャーの価値。そこにはスポーツというスタイルも、切っても切り離せない深い関係性だと思います。

Q09. 世間では東京五輪開催により、今後さらに海外からのお客さまが増えると予想されていますが、ルミネはどのようなアプローチをされますか?

A09. 海外の方が物を買いに来日することはほんの入口であって、本質はそういうことではなく、日本の良さを見たいと思っているはずです。日本はある種特別な世界観で、西洋にないような要素がたくさんありますよね。文字も中国から伝来した漢字を仮名に変えて新たな言語として生み出してきましたし。その背景にバリューがあると私は考えます。外国からの旅行者の方々はそれがわかっていて、もちろんショッピングもしますが、本当の日本の魅力を感じたいのではないでしょうか。インバウンドは地方の確かな物作りや国内ではあまり知られなくなった伝統を国外に伝えてくれています。だからこそ、アウトバウンドを意識することが大事。自分たちのポジショニングを常に推し量っておかないといけません。ルミネは今後インとアウトを同時に行っていくことで、バランスを保ちつつ、我々の独自性やオリジナルを肝要にアプローチしていきます。

Q10. atmosについて、感じられているままにご意見をいただけないでしょうか?

A10. ファッションとしての先端という時代感覚を持ち続けて欲しいですね。量を売ることではなくて、自分たちの独特な領域を目指していくこと。売上げをモットーとするよりも、利益を上げていく中でこそ、マーケットへの活力となっていただければ。大きくなるためにあれこれとやると、企業がダメになってしまう要因にもなりかねません。今の時代、量は追わない、質を追う。結果、購入をしてもらうための輪が生まれる。そのために答えを出す。それを私はatmosに求めています。